書店バイトマンだったころ、ただ漫然と棚の整理やレジをしていた。
思い返せば天職だったな。
書店バイトというものは、本が好きでないと続かない。
何故なら、大抵の時間が暇で時給が安いからだ。
ガチの最低賃金です。
僕が働いていたのは8年くらい前だが、調べた感じ最低賃金であることは変わっていなさそう。
でも朗報。長い目で見ると金額は上がっています。
地域の最低賃金が上がる限りは。
まあそんなとこもあるけど、僕は書店バイトが大好きだ。
もしまた学生に戻って、バイト生活を送る場合、また書店に応募するだろう。
そもそも書店の雰囲気や長居することが好きなのだから、最高に決まっている。
そんな僕は3店舗の書店でアルバイトをした。
アルバイトするにあたって、すべての書店が最高というわけではない。
言うまでもないが、店舗の制度や人間関係だ。
でも、3店舗で働いた経験上、悪い人はそんなにいない。
制度が自分に合うかは面接とかでしっかり聞けばわかると思うので、十分にミスマッチは予防できるはずだ。
僕はそういうのを怠ったので、ちょいとうまくいかなかったが。
1店舗目がいちばん思い出深い。
大きな商業施設に入っている書店で、大学から近かった。
大学1年の秋頃から、大学3年の年末くらいまでだから……大体2年と少し働かせてもらった。
シフトは月毎の申告制で、社員が調整してくれた。
週4日勤務が基本だった。
基本的な業務内容は、レジ・接客・書架の整理・雑誌の返品だ。
書架の整理は無限にできる。無限は言いすぎた。
まあとにかく退屈しない。
興味の有無に関わらず、本を手に取りながら、片端から整頓していく。
一番好きな時間だった。
レジは特に言うことはない。
当時は金勘定していたが、今は機械に投入する形式が多いだろうし、簡単な仕事だ。
接客も他の店と変わらない。
本の場所を一緒に探すのも、慣れれば楽しいものだった。
たまに来る「今朝の新聞に載っていた本が欲しい」と言ってくるお客様はどうにかならんのかね。
雑誌の返品は結構大変だが、やりがいがある。
まずは、週刊・月刊などの入れ替えが発生するもの、返品期限があるものをチェックする。
翌日発売する雑誌と入れ替わるよう、陳列場所を空にする。
古いものや期限が近い雑誌は段ボールに詰めて、配送業者に託す。
この段ボールを扱う作業が結構力仕事だ。
あとはゴミ出しとかスリップの整理とか、漫画のシュリンク掛けとか。
そういえば、プレゼント包装もあったな。
書籍・文具・図書カードなどなど。
かなり得意だったと自負しているが、「小学〇年生」などの児童雑誌は凹凸がひどくて大変だった。
あれ包装でもらってうれしいのか?
仕事内容はそんな感じだ。
社員さんもいい人ばかりだった。
文庫担当のアニキには特に世話になった。
おすすめ本を教えてもらって、それを買って読んだ。
雪の日は車で、家まで送ってもらったこともあった。
そういえば当時のアニキと同い年くらいになってしまったな。感慨深い。
大学が4年生で移転となり、合わせて引っ越す必要があった。
名残惜しさと変化への期待を胸に、辞めた。
2店舗目は駅直結の商業施設に入っていた書店。
シフト管理をバイトにさせるタイプで、性に合わなかった。
あと、ワンピースの新刊が出た際、駅前で売込みするのがだるかった。
本屋で八百屋のようなことをするとは思わなかった。
働いている人とは仲良くなれたけど、1店舗目の働き方が染みついていて、苦しくなってしまった。
「時給」を口実に、2~3か月で辞めた。
余談だが、3店舗目との間に弁当屋バイトを経験した。
これは1日で辞めた。
3店舗目は駅前のスーパーの2階にあった。
ここまでは商業施設で働いていたこともあり、とても静かに感じた。
この店舗は、採用されるまでに店長とバトルするなど、結構癖アリな入り方をした。
働き方も1店舗目と近かったので、かなり働きやすかった。
ここでは、働きながら漫画を描いていたお姉さんがいた。
夢を追いかけ、実践していて、尊敬しかなかった。
辞めた後、漫画雑誌に彼女の読み切りが掲載されて、拝読した。
世界観がとても素敵な漫画を描く方だった。
就職があったので、半年で辞めた。
辞める時、一緒に働いていた男の子がコーヒーをくれたのが嬉しくて、よく覚えている。
結構思い出のある店舗だ。店長は嫌いだった。
また機会があればバイトしてみたいと思う。
社員として働くのはごめんだな。
正社員でシフトワークは、僕には厳しい。
1店舗目の文庫担当のアニキは、給料は少ないと言っていた。
「本が好きだから続けてるねん」
今はもうあの店舗にはいないという。
いつかまた会えたら、旬のおすすめ小説を教えてもらいたいものです。

